林檎 （7月20日の日記を移籍）

さて夜も更けたことだし　そろそろ寝るべぇか・・・と思いながら、
なにげなくテレビを点けてみたら、
久しぶりに　そしてすこし珍しいことに、
椎名林檎さんが喋ってます（なんかの再放送）。

嘘がないというか、
言葉本来の本質的な（他の形容が難しいという意味での）真面目な人で、
好きです。　どうしても。

「椎名林檎もテレビを観るのかっ」とか、
9.11　によって喚起された、生きている者・育てている者としての、
社会に対する責任感のようなものから、
「生きている限り、伝えつづけるべきなんだ」という実感を得て、復帰に到った話とか。
ファンとしては非常に貴重な話ではある一方で、
用意されていたであろうインタビュー内容は、
特に変わったところのないものだったんですが、
返答は　どうにも濁りなく淀みなく椎名林檎でした。

まぁ、あたらしい歌を聴いたり話を聞いたりするたびに、
いろいろ考えてしまうというか、
考えるのを巧くやめることができるというか、
本当に貴重な人ではありますね。　会う機会がないけど。


自分自身の努力にも才能にも　たじろがない覚悟を感じます。
それが、時間から離れた何か揺らがないもの（つまり才能？）
を感じさせる元になっているんでしょか・・・・。
話してることの一つひとつが、どれも「誰かの評価の体系」をベースにせずに成り立っている、
という感じ・・・・まったく巧くつかまりませんが。

要するに、
歌も含めて言ってることが全部本気で表現されているということなわけですが、
なかなかそういう人には会えません。

「それを気恥ずかしく思う自分（衒い？）」を晒け出さない正直さ　のようなものを伴っている人は、
もっとすくない。
この点は、
Bonnie Pink　とは少しちがった印象を受けるところです。
（Bonnie　Pink　は、ほんのり本気で好きですが・・・。）

全然　外に出てくることのできない人格の核心のようなものが
たしかに濁らずにある一方で、
他と繋がろうとする　とても強い意志を感じます。

自分の　（つまりはきっと他人の）　どうにもしようがない生活実感（？）、
西垣通（東京大学 大学院 情報学環教授）の本（『ウェブ生命情報論』など）
なんかに出てくる言葉で言うところの
「社会情報」　に相当する言葉のレベルには載らない何ものか
・・・・同じく西垣教授であれば　「生命情報」　と呼ぶような感触を、
まさに手で触れるくらい確かに信じている、そのままの姿勢で、
自分以外の誰かに向かって手を伸ばせるって、
やはりそれは素晴らしい。

それが自由主義社会の理想的なコミュニケーションの形ですと言ってしまうと、
どんどん皮相化してしまいますが、
どうにか表現しようとすれば、それはやっぱり林檎ちゃんの歌に近づいて行くんでしょうね。


すみません。
努力してみましたけど、感じたことの2割ほども、表現も還元もできませんでした^^;

感じてることの表現はむずかしいですね。

特にプラスの感動は。

そしてさらに、
「好き」よりも「尊敬」や「共感」の方が、
私には表現がむずかしいです。
 
http://jp.youtube.com/watch?v=iKyP0mNRW20